株式分割の登記
株式分割の手続
株式分割とは、既存の株式を細分化し、従来より多数の株式とすることをいいます。
1株を10株に、98株を100株に細分化することも株式分割です。
株式分割は自己株式(会社が保有する自社の株式)に対しても分割の効力が生じます。(自己株式には割り当てることができない株式無償割当とは異なります。)
株式分割の手続の流れ
@株式分割の決議機関
取締役会設置会社の場合
取締役会の決議
取締役会非設置会社
株主総会の普通決議
株式分割は、取締役会又は株主総会の普通決議で下記の決議事項を決定します。
株式分割の決議事項
@株式の分割により増加する株式の総数の株式分割前の発行済株式の総数(種類株式発行会社にあっては、Bの種類の発行済株式)に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日
A株式分割の効力発生日
B種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類
A基準日公告
基準日を定めたときは、基準日の2週間前までに基準日および株式分割に関する決議事項を公告しなければなりません。
基準日公告は定款所定の方法により行います。
定款で基準日を定めた場合
※あらかじめ定款に基準日及び基準日株主が行使することができる権利内容を定めることによって、基準日公告を回避することができます。
基準日において株主名簿に記載又は記録されている株主は、株式分割の効力発生日にその分割比率に応じて株式を取得することとなります。
株式分割によって、発行済株式総数が発行可能株式総数を超えてしまう場合
⇒発行可能株式総数も増加させる必要があります。
原則
株主総会の特別決議により定款を変更しておこないます。
特例
現に2以上の種類の株式を発行していない会社は、株式分割と同時に当該分割比率を越えない範囲内で発行可能株式総数を増加させるときは、取締役会の決議(取締役会を置かない会社は取締役の過半数の一致)により、発行可能株式総数に係る定款を変更することができます。
株式分割の端数処理
例)
・分割前の発行済株式総数100株、株式分割により1株を1.5株に分割
・分割前の株主の持株数 株主A67株、株主B33株
・分割後の株主の持株数 株主A100.5株、株主B49.5株
・端数合計1株(0.5+0.5)
・この端数1株は、競売もしくは裁判所の許可を得て売却し、その売却代金を端数の生じた株主に分配する必要があります。⇒株式分割で端数が生じると、裁判所の手続きが必要となるので面倒です。
基準日公告記載例
基準日設定につき通知公告
当社は平成○年○月○日を基準日と定め、同日○時現在の株主名簿上の株主をもって、その所有する株式○株を△株とする株式分割により株式の割当てを受ける株主と定めましたので公告したします。
令和○年○月○日
名古屋市○○区○○一丁目2番3号
○○株式会社
代表取締役 ○○
取締役会議事録記載例(株式分割)
取締役会議事録
(略)
第1号議案 定款一部変更の件
議長は、第2号議案が承認可決されることを条件に、会社法第184条第2項の規定に従い、下記のとおり当会社の定款を変更したい旨を述べて審議を求めたところ出席役員全員の一致により承認可決した。
変更前
第5条 当会社の発行可能株式総数は800株とする。
変更後
第5条 当会社の発行可能株式総数は8000株とする。
第2号議案 株式分割の件
議長は、当社の発行済の株式を下記のとおり分割したい旨を述べて審議を求めたところ、出席役員全員一致により承認可決した。
記
1 株式分割前の当社発行済株式総数 200株
今回の分割により増加する株式数 18000株
株式分割後の当社発行済株式総数 2000株
2 基準日 令和○年○月○日
3 効力発生日 令和○年○月○日
以上
(以下省略)
株式分割の登記手続
株式の分割をおこなうと登記事項である発行済株式総数が増加するので、変更登記を申請する必要があります。
株式分割により発行済株式総数が発行可能株式総数を超えてしまうときは、定款を変更して発行可能株式総数を増加させる必要があり、この場合、発行可能株式総数の変更登記の申請も同時に行います。
登記申請期間
株式分割の効力が生じた日から2週間以内に、本店所在地を管轄する法務局に株式分割の登記を申請しなければなりません。
登記すべき事項
発行済株式総数および変更年月日
登記申請に必要な書類
株主総会議事録または取締役会議事録
株主リスト(株主総会で株式分割の決議をおこなった場合)
株券分割の登記費用
登録免許税
株式分割の登記の申請の際に、登録免許税を納付しなければなりません。
登録免許税 30,000円
官報公告の掲載料
基準日設定につき官報で通知公告する場合
35,893円円(10行の場合)
司法書士手数料
登記申請を司法書士に依頼する場合の手数料
司法書士に支払う手数料の額は、各司法書士により異なります。
当事務所の手数料(報酬)の目安を料金表に記載していますのでご確認ください。
当事務所の料金表
株式分割の登記のご相談・ご依頼
愛知県名古屋市を中心に業務を行っていますが、愛知県以外の方もご相談・ご依頼承りますので、お気軽にお問合せください。(会社登記は全国対応いたします。)
御社が遠方の場合、必ずしもご来所いただかなくても、お電話、メール、郵送等でお取引が可能です。
司法書士は会社・法人登記の専門家です。
株式分割をお考えの方は、名古屋の司法書士八木事務所までお問合せください。
登記のご相談、登記費用のお見積りを無料でおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせください。
お電話によるお問い合わせはこちらの電話番号へおかけください
お電話による受付は、平日の10時から22時頃まで受け付けております。
土日祝日はお休みを頂いておりますが、電話に出ることができる時は対応いたします。
メールフォームからお問い合わせはこちらをクリックしてください
24時間以内に返信することを心がけております。
事務所所在地
467-0056
名古屋市瑞穂区白砂町2丁目9番地 瑞穂ハイツ403号
司法書士八木隆事務所