数次相続と相続登記 | 愛知県の司法書士八木事務所

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数次相続と相続登記

数次相続とは
ある人が死亡したことにより相続が開始した(第一次相続)が、その遺産分割協議が未了のうちに相続人が死亡しさらに相続が開始(第二次相続)することをいいます。
遺産分割協議を長期間おこなわなければ、さらに、相続人の相続人が死亡し相続が開始(第三次相続)といった具合に、遺産分割協議の当事者が枝分かれ式に増えてしまい、遺産分割協議の成立を困難にする原因となります。

 

A(被相続人)が死亡し相続が開始しました(第一次相続)。

 

相続人は妻Yと子Zの2人です。Xに係る遺産分割協議をおこなわないでいたところ、相続人Zが死亡し妻Aおよび子BがZを相続しました。(第二次相続)。

 

Xの遺産にかかる遺産分割はXの相続人Yと亡相続人Zの相続人AおよびBが当事者となります。

 

AおよびBは亡Zが相続人としてXの遺産分割協議に参加することができる地位を相続により承継したことによりXの遺産分割協議に当事者として参加することができるのです。

 

Xが残した遺産を分配するにはY、A及びBが遺産分割の当事者として協議することになります。

 

次に、上記の事例をもとに、ケースごとに相続登記の手続を説明します。

 

X名義の不動産をYが取得し、相続登記を申請するケース

@戸籍謄本等の収集

・被相続人Xの出生から死亡までの連続した戸籍・除籍謄本等
・Zの出生から死亡までの連続した戸籍・除籍謄本等
(Zが死亡した事実と、Zの相続人がAおよびB以外に存在しないことを明らかにするために必要となります。)
・Y、A及びBの戸籍謄本等

 

AYが遺産である不動産を取得することを内容とする遺産分割協議書を作成
遺産分割協議書例

遺産分割協議書

 

被相続人X(本籍地 ○○市〜)は、平成28年○月○日に死亡したので、共同相続人であるY、相続人であったZ(本籍地 ○○市〜)が平成29年○月○日に死亡したことにより開始した相続でZの被相続人Xの遺産について遺産分割協議に参加することのできる地位を承継したZの相続人AおよびBは、被相続人Xの遺産について、以下のとおり遺産分割協議をした。

 

1 相続人Yは次の不動産を取得する。
  (不動産の記載省略)
2 1に記載した遺産以外のその他の遺産は、相続人Zの相続人Bが取得する。
3 本協議成立日に判明していない被相続人の遺産が発見されたときは、その遺産
  相続人Yが取得する。

 

以上の協議を証するため、この協議書を3通作成し、各自1通ずつ所持する。

 

平成○○年○月○日
○○市○○町一丁目2番地3
相続人Y 印        
△△市○○町三丁目2番地1
相続人Zの相続人 A 印     
△△市○○町三丁目2番地1
相続人Zの相続人 B 印

※AおよびBが相続人Zが有してい被相続人Xの遺産に係る遺産分割協議に参加することのできる地位を相続したことにより遺産分割協議に参加していることを明らかにします。

 

B相続登記を申請する
被相続人Xの不動産を相続したYが単独で申請することができます。

登記申請書
登記の目的 所有権移転
原   因 平成28年○月○日相続
相 続 人(被相続人 X)
      ○○市○○町一丁目2番地3
      Y
(以下省略)

 

 

X名義の不動産をBが取得し、相続登記を申請するケース

@戸籍謄本等の収集
戸籍謄本等の収集する範囲は上記(X名義の不動産をYが取得し、相続登記を申請するケース)と同一です。

 

ABが遺産である不動産を取得することを内容とする遺産分割協議書を作成

遺産分割協議書

 

被相続人X(本籍地 ○○市〜)は、平成28年○月○日に死亡したので、共同相続人であるY、相続人であったZ(本籍地 △△市〜)が平成29年○月○日に死亡したことにより開始した相続でZの被相続人Xの遺産について遺産分割協議に参加することのできる地位を承継したZの相続人AおよびBは、被相続人Xの遺産について、以下のとおり遺産分割協議をした。

 

1 相続人Zの相続人Bは次の不動産を取得する。
  (不動産の記載省略)
(以下省略)

 

B登記申請書を作成する
登記の原因が、X名義の不動産をYが取得し、相続登記を申請するケースとは違いますので注意してください。

登記申請書

登記の目的 所有権移転
原   因 平成28年○月○日Z相続 平成29年○月○日相続
相 続 人(被相続人X)
      △△市○○町三丁目2番地1
      B

 

BはあくまでもXの相続人であるZの相続人でありXの相続人ではありません。Xの相続人ではないBは直接Xから相続によってXの遺産を取得することはできません。

 

法律的には、「Xの遺産である不動産を平成28年○月○日相続によって亡Zが取得し、亡Zが相続により取得した不動産を亡Zの相続人であるBが平成29年○月○日相続によって取得する」という内容の遺産分割協議をY、A及びBでおこなったこととなります。

 

本来なら登記はZ名義の相続登記をした後、B名義の相続登記すべきですが(2段階)、登記実務では、第一次相続で相続人が不動産を単独相続した場合に限り、被相続人名義から直接第二次相続によって不動産を取得した相続人名義に登記することが認められています。(いわゆる中間省略登記)

 

不動産が被相続人Xから相続人Zへ、Zからその相続人Bへと相続により移転したことが分かるように上記登記申請書のように登記原因を記載します。

 

X名義の不動産をYおよびB各2分の1の割合で取得し、相続登記を申請するケース

X名義の不動産をYおよびBが共有する内容の遺産分割が成立した場合、相続登記はどのように申請すべきでしょうか。

 

結論から申しますと中間省略登記はできず、2段階の相続登記の申請が必要となります。

 

前述したとおり、Bは直接、被相続人Xから相続することはできないので、法律的には「X名義の不動産をY及び亡Zが各2分の1の割合で取得し、亡Zが相続によって取得した共有持分をBが相続によって取得する」という内容の遺産分割協議をおこなったものと解します。

 

相続登記で中間を省略することが認められるのは、第一次相続で相続人が当該不動産を単独相続した場合に限られます。

 

本ケースではYおよび亡Zが共同相続していますので、Yおよび亡Zの共有名義の相続登記を省略して被相続人XからYおよびBの共有名義の相続登記の申請はできません。

 

1件目の相続登記

登記申請書

登記の目的 所有権移転
原   因 平成28年○月○日相続
相 続 人(被相続人 X)
      ○○市○○町一丁目2番地3
      持分2分の1 Y
      △△市○○町三丁目2番地1
      持分2分の1 Z
(以下省略)

 

2件目の相続登記

登記申請書

登記の目的 Z持分全部移転
原   因 平成29年○月○日相続
相 続 人(被相続人 Z)
      △△市○○町三丁目2番地1
      持分2分の1 B
(以下省略)

 

 

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