会話形式で学ぶ相続登記|名古屋の司法書士八木隆事務所

会話形式で学ぶ相続登記|名古屋の司法書士八木隆事務所

会話で学ぶ相続登記(遺産分割協議編)

実家不動産を相続した山崎さんが司法書士に相続登記の相談にやってきました。

 

以下を読んでいただければ遺産分割協議による相続登記の基本的なことはご理解いただけると思います。

 

また、相続登記を自分でやってみるページも参考にしてみてください。

 

相続不動産の権利関係を確認する

 

はじめまして、先ほどお電話いたしました山崎太郎と申します。

 

このたび、父が亡くなりまして、その実家不動産を私が相続することになったのですが、どのような手続きが必要なのかお聞きしたくてご相談に参りました。


 

 

はじめまして、司法書士の八木と申します。

 

お父様の実家不動産を相続なさったのですね。

 

不動産を相続すると登記名義を変更するために法務局で相続登記をおこなう必要があります。

 

相続登記は登記申請書を作成し、戸籍謄本等の相続登記に必要な書類とともに管轄法務局に提出することにより行います。

 

まずは、山崎さんが相続した実家不動産の権利関係を登記情報提供サービスを利用して確認します。


【相続登記前の登記記録】

 

権利部(甲区)(所有権に関する事項)

順位番号 登記の目的 受付年月日・受付番号 権利者その他の事項
所有権移転

平成○年○月○日
第○号

原因 平成○年○月○日売買
所有者 名古屋市東区○○町五丁目1番地
 山崎 一郎

 

 

パソコンで不動産の権利関係を調べることができるのですか?

 

 

はい、登記情報提供サービスといって、登録すれば誰でも、法務局が管理保管している登記記録をパソコン上で閲覧することができます。

 

不動産1個の登記記録をダウンロードするのに335円の手数料がかかります。

 

現在の所有権の名義人は山崎一郎さんになっていますが、山崎一郎さんは太郎さんのお父様で間違いございませんか。


 

 

はい、山崎一郎は亡くなった私の父に間違いありません。


 

相続登記チェックポイント その1
@不動産の権利関係を調査する
相続財産に不動産があるときは、法務局で不動産登記事項証明書(登記簿謄本)を取り寄せる又は登記情報提供サービス利用することにより相続不動産の権利関係を調査します。

 

所有権の登記名義人が被相続人になっているかどうか確認します。
登記名義人が被相続人名義になっていないときは、登記名義を被相続人に変更する必要があります。

 

現在の登記名義人から被相続人が単独相続したときは、相続人名義に直接相続登記をすることができます。(数次相続)

 

A名寄帳を確認する
名寄帳とは、納税義務者が所有している不動産の一覧であり、不動産の所在地の市町村で取得することができます。

 

相続人がその存在を知らない不動産があるかもしれないときは、市町村で名寄帳を取得して、その他に所有していた不動産があるかないか確認します。

 

相続人を調査する

 

 

次にお父様の相続人を教えていただけますか。


 

 

はい、相続人は私の他に、母と弟の3人です。


 

 

本日は、お父様の戸籍謄本等をお持ちですか?


 

 

いいえ、戸籍謄本はまだ取っていないです。


 

 

わかりました。
正確な相続人は、被相続人の戸籍謄本等によって確認する必要があるのですが、今日は、相続人が山崎さん、お母さん、弟さんとういことで話を進めてまいります。


 

戸籍謄本等を収集する

 

 

戸籍謄本のことなんですが、どの範囲の戸籍を取り寄せる必要があるのですか?


 

 

相続手続に必要な戸籍謄本等は、お亡くなりになられた方(被相続人)の出生から死亡までの連続した戸籍、除籍謄本等と、相続人全員の現在の戸籍謄本等が必要になります。

 

戸籍謄本等は相続人の調査を行うために必要ですし、また相続登記の添付書類としても必要になります。


 

 

私も弟も平日は仕事で忙しいですし、母も体が不自由で外出すること困難なので、なかなか戸籍謄本を役所へ取りに行くことができないのですよ。


 

 

本籍地が遠いと更に大変ですよね。

 

司法書士は相続登記の依頼を受けると、相続登記の申請に必要な範囲で戸籍謄本等を代理して取得(職務上請求といいます)できるので、相続登記のご依頼をいただければ、相続登記に必要な戸籍謄本等を職権で取り寄せることができます。


 

 

忙しくて役所に行くことができない人にとっては、大変助かりますね。


 

相続登記チェックポイント その2
戸籍で相続人を調査する
戸籍・除籍・改製原戸籍謄本(以下戸籍謄本等)を収集して、相続人を調査・確定することは相続手続において重要な作業になります。

 

一部の相続人を欠いて行った遺産分割協議は無効になってしまいますので、遺産分割を確実に行うためには、戸籍謄本等で相続人が誰であるかを確定させることが重要です。

 

戸籍謄本等を調べると、認知された子など相続人がその存在を知らなかった相続人が明らかになることがあります。

 

被相続人に身分変動が多い場合や、本籍地を何度も変更している場合は、収集する戸籍謄本等の数が膨大になり、必要な戸籍謄本等を取り漏らすことがありますので、このようなときは、相続登記の専門家である司法書士にご相談ください。

 

遺産分割協議をおこなう

 

 

お父様の残された財産をどのように分けるかの話し合いは既になされているということでよろしいですか。


 

 

はい、実家不動産は私が相続し、現金と預貯金は母と弟が半分ずつ相続することにしました。


 

 

円満な話し合いができたのですね。


 

 

はい。
もっとも、争うほど財産があるわけではないので


 

 

遺産の額が決して多いといえない場合でも、相続が争続になることは珍しくないですよ。


 

 

父が残した財産のことで、家族が争うのは悲しいですからね。


 

 

相続登記チェックポイントその4

遺産分割とは
被相続人が残した財産は、いったん相続人全員の共有となります。
この共有関係を解消して、最終的に誰がどの相続財産を引き継ぐのかを決めることをいいます。

 

まずは、相続人の協議で遺産分割をおこないます(遺産分割協議)が、協議がまとまらないとき、又は協議そのものができないときは、相続人は家庭裁判所に遺産分割を請求することができます(遺産分割調停・遺産分割審判)

 

遺産分割協議書を作成する

 

 

遺産分割協議書は作成していますか?


 

 

いいえ、まだ作成していません。


 

 

相続登記を申請するには、特定の不動産を特定の相続人に相続させる旨の遺言書がないときは、遺産分割協議書を提出しなければならないので、遺産分割協議書は必ず作成する必要があります。


 

 

遺産分割協議書の作成で注意することはありますか。


 

 

法律で様式が決まっているわけではないのですが、一般には、被相続人の氏名、最後の住所、本籍地、死亡年月日(相続開始日)、遺産分割協議の内容、相続人の住所・氏名などを記載します。

 

遺産分割協議後に発見された遺産を、どのように分割するのかをあらかじめ記載しておくこともあります。

 

遺産分割協議書に不動産を表示するときは、不動産登記事項証明書のとおり記載します。

 

相続人の住所及び氏名は印鑑証明書の記載のとおり記載します。住所はハイフンなどを用いて丁目や、番地などの記載を省略せずに記載します。

 


 

 

遺産分割協議書に押印する印鑑は実印ですか?


 

 

相続登記など相続手続きをおこなうために作成する遺産分割協議書には実印で押印します。

 

相続登記の実務では不動産を取得する相続人は実印で押印する必要はないとされていますが、通常は、不動産を相続する人も含めて相続人全員に実印で押印していただいております。


 

相続登記に必要な書類

 

なるほど、相続登記には被相続人の戸籍謄本等と遺産分割協議書が必要ということですね。
その他に必要な書類はありますか。


 

印鑑証明書(相続登記に必要な書類)

 

 

その他相続登記に必要な書類を説明します。

 

相続人全員の印鑑証明書が必要になります。

 

相続登記に添付する印鑑証明書には有効期限はありませんので、以前取得したものがあればそれを提出することができます。


 

 

司法書士さんは、印鑑証明書を職権で取得することはできますか?


 

 

戸籍謄本等や住民票は職権で取得することができるのですが、印鑑証明書は取得することはできません。


 

住民票の写し等(相続登記に必要な書類)

 

 

不動産を相続した人(登記申請人)の住民票の写し等が必要です。
ただし、印鑑証明書を提出しているときは住民票を提出する必要はありません。


 

 

住民票には有効期限はありますか?


 

 

いいえ、住民票は有効期限はありません。
また、コンビニで取得できる住民票でもいいことになっています。


 

除の住民票の写し等(相続登記に必要な書類)

 

 

その他に被相続人の除の住民票又は戸籍の附票が必要になります。


 

 

被相続人の除の住民票が必要な理由は何ですか?


 

 

登記名義人と被相続人(亡くなられた方)が同一の人であることを証明するために必要となります。
住民票には、住所・氏名及び本籍地が記載されているので、これを提供することにより、登記簿上の人物と戸籍上の人物を結びつけることができるのです。

 

ただし、登記簿上の住所と本籍地が同一の場合は、除の住民票等の提出を省略することができます。


 

相続登記に権利証は必要か?

 

 

あの、実家不動産の権利証が見つからないのですが、相続登記に権利証は必要ですか?


 

 

相続登記に権利証は必要ありません。
登記の際、権利証を提出する理由は、申請人が登記名義人本人であるかどうかの確認のためであり、亡くなった方(被相続人)の本人確認は意味がないので提出する必要はないのです。

 

ただし、除の住民票等を提出できないなどにより登記名義人が被相続人であることが明らかにできないときは法務局によっては権利証の提出が求められることがあります。


相続登記チェックポイント その
相続登記に必要な書類(遺産分割協議を行うケース)
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本及び改製原戸籍謄本
・相続人の戸籍謄本(被相続人の死亡日後に作成されたもの)
・遺産分割協議書
・相続人全員の印鑑証明書
・被相続人の除の住民票の写し又は戸籍の附票
・申請人の住民票の写し等
・固定資産税評価証明書

 

相続登記に要する費用(登録免許税)

 

 

相続登記をするには、費用がかかると聞いたのですが、どのくらいかかるのですか。


 

 

相続登記の費用には、登録免許税、戸籍謄本等の取得の手数料などの実費と、相続登記を司法書士に依頼した場合に支払う司法書士への報酬があります。


 

司法書士の報酬は、司法書士ごとに違いますので、
依頼する前にホームページなどで調べることをお勧めします。
また、日本司法書士連合会が司法書士報酬の平均額をホームページで公表しているので参考になります。

 

 

実費で最も大きいのが登録免許税です。
登記を受けるには登録免許税を納付する必要があります。
相続登記の登録免許税は、相続する不動産の価格に1000分の4を乗じた額になります。


 

 

不動産の価格とは時価のことですか?


 

 

いいえ、不動産の価格とは市町村の固定資産税課税台帳に登録された不動産の価額のことをいいます。
一般的には、固定資産税評価額といっています。


 

 

固定資産税評価額はどのように調べるのですか?


 

 

市町村役場の固定資産税課等で固定資産税評価証明書を取得するか、毎年、市町村役場から郵送されてくる固定資産税納付書に添付されている課税明細書により確認することができます。

 

固定資産税評価証明書は相続登記の添付書類となるので、ご準備していただく必要があります。
なお、固定資産税評価証明書は司法書士が代理人として請求することができます。


 

 

登録免許税はどのように支払うのですか?


 

 

はい、収入印紙を登記申請書に貼り付けて納付します。
収入印紙は郵便局や法務局で購入することができます。


 

 

登録免許税は分割払いで納付することはできませんか。


 

 

はい、登録免許税は登記申請の際に一括納付することになっています。


 

相続登記チェックポイント その4

相続登記の登録免許税の額

 

相続する不動産の固定資産税評価額×4/1000

 

計算例
固定資産税評価額が1500万円の土地と、700万円の建物を相続した場合の登録免許税
(1500万円+700万円)×4/1000=8万8千円
登録免許税 8万8千円

 

添付書類の原本還付

 

 

相続登記に提出する書類はコピーでは駄目ですか?


 

 

登記に提出する書類は原本を提出しますが、原本還付の手続きを行えば、登記完了後に原本を返却してもらうことができます。
原本の還付を受けるには、原本である旨の記載のあるコピーを提出します。

 

相続関係を証明する戸籍謄本等は特例があって、『相続関係説明図』を添付すれば、戸籍謄本等のコピーを添付しなくても原本を返却してもらえます。

 

ただし、委任状など原本還付ができない書類もあります。


 

 

相続関係説明図とは、家系図のようなものですか?


 

 

相続関係説明図とは、亡くなられた方(被相続人)のすべての相続人を視覚的にわかりやすく図式化したものです。戸籍謄本等一式の代わりになるものです。

 

以上が、相続登記に必要な書類になります。
ただし、特殊な相続登記の場合、その他の書類が必要になることもございます。


 

相続登記に申請期限はあるの?

 

 

父が亡くなってから、2ヶ月程が経つのですが、相続登記に申請期限はないのですか?


 

 

相続登記には申請期限はありません。

 

ただし、相続登記を放置すると、その間に相続人が亡くなることにより、相続人が増え、いざ相続登記をしよとすると、より多くの人から協力してもらわなくなるなど手続きが煩雑になってしまうこともよくありますので、なるべく早く相続登記をすることをお勧めします。


 

 

相続登記は義務ではないけど、相続登記をきちんとしておかないと、後々面倒なことになることもあるということですね。


 

 

おっしゃるとおりです。
現在法務省では、相続登記の義務化が検討されていますので、近い将来相続登記は義務になるかもしれませんよ。


 

 

相続税について

 

 

相続税のことについてお聞きしたいのですが、
相続税は、お金持ちに関係する話みたいなので、私のところは大丈夫だとは思うのですが。


 

 

相続税のことですね。

 

相続税は、相続したすべての人に課税されるわけではなく、被相続人が残された財産の額から借入金等の債務を引いた額の総額が、基礎控除額を上回る場合に課税の対象になります。

 

山崎さんの場合、基礎控除額は、相続人が3人なので、4800万円になります。
つまり、遺産の総額が4800万円に満たないとき、心配しなくても大丈夫ですよ。


 

 

そんなたくさんの遺産はないので、相続税は大丈夫ですね。


 

 

相続税の基礎控除額
基礎控除額=3000万円+(法定相続人の数×600万円)

 

 

不動産を取得すると不動産取得税という税金がかかると聞いたのですが、実家を相続した場合にも不動産取得税は課税されますか。


 

 

いいえ、相続により不動産を取得した場合は、不動産取得税は非課税となっています。


 

相続登記のご相談・ご依頼のお問い合わせ

愛知県名古屋市を中心に業務を行っていますが、愛知県以外にお住まいの方もご相談・ご依頼承ります。
相続登記に関するご相談、ご依頼は名古屋の司法書士八木事務所にお問合せください。

 

 

トップへ戻る