相続登記 | 相続登記は名古屋の司法書士八木隆事務所

共有名義の不動産の相続

共有不動産の相続

共同所有する不動産の共有者のうちの1人が死亡すると、当該不動産の共有持分は相続財産となります。

 

相続人が1人ならば、その者が共有持分を当然相続しますが、相続人が複数の場合、その共有持分は相続人の共有となります。

 

相続させる旨の遺言がなければ、特定の相続人がその共有持分を単独で取得するためには遺産分割協議をおこなう必要があります。

 

遺産分割協議(又は遺言)によって共有持分を取得した相続人は当該不動産を他の共有者と共同所有することになります。さらにこの不動産を単独で所有するためには、他の共有者との共有関係を解消するための共有物分割協議が必要となります。

 

ここでは、共有持分の相続から、他の共有者との協議による共有関係の解消までの手続きを説明します。

 

共有持分の相続

事例
○○市○○町一丁目1番の土地は、XおよびYが各2分の1の割合で共有しています。
このたび、共有者Xが死亡し相続が開始しました。Xの相続人は子のA、BおよびCの3人です。

順位番号 登記の目的 受付年月日・受付番号 権利者その他の事項
所有権移転

平成○年○月○日
第○○号

原因 平成○年○月○日売買
共有者
住所省略
持分2分の1 X                                                                               
住所省略
持分2分の1 Y

 

相続させる旨の遺言がある場合
第○条 遺言者は、遺言者の有する下記不動産の共有持分のすべてを、長男Aに相続させる。

所在 ○○市○○町一丁目
地番 1番
地目 宅地
地積 234.56平方メートル
共有持分 2分の1

上記のような、特定の相続人に特定の遺産を相続させる旨の遺言があれば、遺産分割協議をすることなく受益相続人(本件の場合は相続人A)は当該遺産を相続開始時に取得します。

 

遺言書検認申立手続き
遺言書による相続登記の申請には検認済みの遺言書の添付が必要となります。
(公正証書遺言の場合は検認手続きは不要です。)

 

遺言がない場合

相続人A、BおよびC全員で遺産分割協議を行い、共有持分の取得者を決定します。

遺産分割協議書

 

被相続人X(本籍地○○)は、平成○年○月○日に死亡したので、共同相続人であるA、BおよびCは被相続人の遺産について、以下のとおり遺産分割協議をした。

 

相続人Aは次の不動産の共有持分を取得する。
         記
所在 ○○市○○町一丁目
地番 1番
地目 宅地
地積 234.56平方メートル
共有持分 2分の1

 

 

相続登記の申請

遺言書がある場合は、遺言書(検認済み)を、遺言書がない場合は、遺産分割協議書(印鑑証明書付)を添付します。

登記申請書

登記の目的 X持分全部移転
原   因 平成○年○月○日相続
相 続 人(被相続人 X)
      住所(省略)
      持分2分の1 A
(以下省略)

 

相続登記完了後の登記記録

甲区(○○市○○町一丁目1番の土地)

順位番号 登記の目的 受付年月日・受付番号 権利者その他の事項
所有権移転

平成○年○月○日
第○○号

原因 平成○年○月○日売買
共有者
住所省略
持分2分の1 X                                                                               
住所省略
持分2分の1 Y

X持分全部移転

平成○年○月○日
第○○号

原因 平成○年○月○日相続
共有者
住所省略
持分2分の1 A

 

共有物分割(共有関係の解消)

本件土地の権利関係は、YとAが各2分の1の割合で共有していることになります。
どちらかの単独所有とするためには、Y・A間で共有物分割協議をおこなう必要があります。

共有物分割(共有関係解消)の方法
@現物分割
A換価分割
B代償分割(価格賠償)

 

@現物分割

共有不動産を共有持分の割合に応じて物理的に分割する方法
⇒○○市○○町一丁目1番の土地を1番1と1番2の2筆に分筆し、1番1の土地はYが、1番2の土地はAが単独で所有する旨の共有物分割の合意

 

登記手続

@分筆登記
共有者Y及びAが管轄法務局に共同して分筆登記の申請をします。

 

分筆登記後(1番1の土地)の登記記録

順位番号 登記の目的 受付年月日・受付番号 権利者その他の事項
所有権移転

平成○年○月○日 
第○号

原因 平成○年○月○日売買
共有者
住所省略
持分2分の1 X
住所省略
持分2分の1 Y

X持分全部移転

平成○年○月○日
第○号

原因 平成○年○月○日相続
共有者
住所省略
持分2分の1 A

 

分筆登記後(1番2の土地)の登記記録

順位番号 登記の目的 受付年月日・受付番号 権利者その他の事項
所有権移転

平成○年○月○日 
第○号

原因 平成○年○月○日売買
共有者
住所省略
持分2分の1 X
住所省略
持分2分の1 Y

X持分全部移転

平成○年○月○日
第○号

原因 平成○年○月○日相続
共有者
住所省略
持分2分の1 A

 

A−1 持分移転登記(1番1の土地)

登記申請書

登記の目的 A持分全部移転
原因 平成○年○月○日共有物分割
権利者 住所(省略)
    持分2分の1 Y
義務者 住所(省略)
    A
(以下省略)

必要書類

・登記原因証明情報(共有物分割合意書等)
・Aの登記識別情報
・Aの印鑑証明書(作成後3ヶ月以内のもの)
・Yの住民票の写し
・固定資産税評価証明書

 

持分移転登記後の登記記録
甲区(1番1の土地)

順位番号 登記の目的 受付年月日・受付番号 権利者その他の事項
所有権移転

平成○年○月○日 
第○号

原因 平成○年○月○日売買
共有者
住所省略
持分2分の1 X
住所省略
持分2分の1 Y

X持分全部移転

平成○年○月○日
第○号

原因 平成○年○月○日相続
共有者
住所省略
持分2分の1 A

A持分全部移転

平成○年○月○日
第○号

原因 平成○年○月○日共有物分割
共有者
住所省略
持分2分の1 Y

共有物分割により、1番1の土地はYが単独所有することになりました。

 

A−2 持分移転登記(1番2の土地)

登記申請書

登記の目的 Y持分全部移転
原因 平成○年○月○日共有物分割
権利者 住所(省略)
    持分2分の1 A
義務者 住所(省略)
    Y
(以下省略)

 

必要書類

・登記原因証明情報(共有物分割合意書等)
・Yの登記識別情報又は登記済証
・Yの印鑑証明書(作成後3ヶ月以内のもの)
・Aの住民票の写し
・固定資産税評価証明書

 

持分移転登記後の登記記録
甲区(1番2の土地)

順位番号 登記の目的 受付年月日・受付番号 権利者その他の事項
所有権移転

平成○年○月○日 
第○号

原因 平成○年○月○日売買
共有者
住所省略
持分2分の1 X
住所省略
持分2分の1 Y

X持分全部移転

平成○年○月○日
第○号

原因 平成○年○月○日相続
共有者
住所省略
持分2分の1 A

Y持分全部移転

平成○年○月○日
第○号

原因 平成○年○月○日共有物分割
共有者
住所省略
持分2分の1 A

共有物分割により1番2の土地は、Aが単独所有することになりました。

 

A換価分割

共有不動産を第三者に売却し、その売却代金を共有持分の割合に応じて分配する方法
⇒売主Y及びA(売主)と第三者Z(買主)間での売買契約を締結

 

登記手続

登記申請書

登記の目的 共有者全員持分全部移転
原因 平成○年○月○日売買
権利者 住所(省略)
    Z
義務者 住所(省略)
    Y
    住所(省略)
    A
(以下省略)

 

必要書類

・登記原因証明情報(売買契約書等)
・Y及びAの登記識別情報又は登記済証
・Y及びAの印鑑証明書(作成後3ヶ月以内のもの)
・Zの住民票の写し
・固定資産税評価証明書

 

売買による所有権移転後の登記記録
甲区(○○市○○町一丁目1番の土地)

順位番号 登記の目的 受付年月日・受付番号 権利者その他の事項
所有権移転 平成○年○月○日第○号

原因 平成○年○月○日売買
共有者
住所省略
持分2分の1 X
住所省略
持分2分の1 Y

X持分全部移転 平成○年○月○日第○号

原因 平成○年○月○日相続
共有者
住所省略
持分2分の1 A

共有者全員持分全部移転 平成○年○月○日第○号

原因 平成○年○月○日売買
所有者
住所省略
Z

 

B代償分割(価格賠償)

共有不動産を共有者1人の単独所有とし、他の共有者に対して代償金(賠償金)を支払う分割方法
⇒Aが単独所有する代償としてYに代償金を支払う旨の共有物分割の合意

 

登記手続

登記申請書

登記の目的 Y持分全部移転
原因 平成○年○月○日共有物分割
権利者 住所(省略)
    持分2分の1 A
義務者 住所(省略)
    Y
(以下省略)

 

必要書類

登記原因証明情報(共有物分割合意書等)
Yの登記識別情報又は登記済証
Yの印鑑証明書(作成後3ヶ月以内のもの)
Aの住民票の写し
固定資産税評価証明書

 

持分移転登記後の登記記録 
甲区(○○市○○町一丁目1番の土地)

順位番号 登記の目的 受付年月日・受付番号 権利者その他の事項
所有権移転

平成○年○月○日 
第○号

原因 平成○年○月○日売買
共有者
住所省略
持分2分の1 X
住所省略
持分2分の1 Y

X持分全部移転

平成○年○月○日
第○号

原因 平成○年○月○日相続
共有者
住所省略
持分2分の1 A

Y持分全部移転

平成○年○月○日
第○号

原因 平成○年○月○日共有物分割
共有者
住所省略
持分2分の1 A

 

相続登記のご依頼をお考えの方

本ページをご覧いただきまして誠にありがとうございました。
相続登記に関するご相談・ご依頼をお考えの方は、当事務所に是非お問合せください。

 

当事務所は愛知県名古屋市を中心に業務をおこなっていますが、愛知県以外にお住まいの方もご相談・ご依頼承ります。他府県に相続財産がある場合でも、対応可能ですので是非ご相談ください。

 

又、ご自身で相続登記の申請をお考えの方は
相続登記を自分でやってみるページを参考にしてみてください。

 

 

トップへ戻る