破綻した金融機関の抵当権抹消登記
今回のテーマは『破綻した金融機関の抵当権抹消登記』です。
「返済自体はとっくの昔に済んでいるんだけど、抵当権抹消登記をするのを忘れてて・・・」
こんな感じで抵当権抹消登記の依頼を受けることがあるんですが、その金融機関を調べてみると、すでに経営破綻していてこの世に存在しないことがあります。
東海地方ですと、常滑信用組合(知多信用金庫に事業譲渡平成13年10月破綻)、瑞浪商工信用組合(東濃信用金庫に事業譲渡平成12年12月破綻)、中津川信用組合(岐阜信用金庫に事業譲渡平成13年11月破綻)、長島信用金庫(紀北信用金庫に事業譲渡平成13年12月破綻)等が経営破綻しています。
破綻した金融機関は破綻処理を行った後、清算結了の登記をおこない、法人登記簿が閉鎖されます。
金融機関が清算結了するには、すべての義務を履行した後でなければなりません。
抵当権抹消登記の手続も義務であり、それを履行しないで、清算結了の登記をしてしまっている場合は、本来なら清算結了の登記を抹消し、金融機関を復活させた上で抵当権抹消登記の手続をしなければなりません。
しかしながら、抵当権抹消登記のためだけに、金融機関を復活させるには負担が大きいので、便宜、清算結了の登記を抹消することなく清算結了時の清算人を破綻金融機関の代表者として抵当権抹消登記を申請してもよいとされています。
手続の流れは以下のとおりです。
1 破綻金融機関の閉鎖登記簿謄本を取得して清算結了時の清算人を確認します。
金融機関の清算人は弁護士が就任することがほとんどです。
2 元清算人の方に連絡をとって抵当権抹消登記の手続をお願いします。
3 抵当権抹消登記に必要な書類(登記原因証明情報・委任状)を作成します。
4 元清算人に作成した書類を送付して、押印してもらいます。
破綻した金融機関の権利証がないときは、元清算人の委任状には実印で押印してもらい、印鑑証明書を用意してもらう必要があります。
5 押印した書類を送り返してもらい、法務局に登記申請書とともに提出します
このように、破綻した金融機関の抵当権抹消登記は、通常の抵当権抹消登記と比べてやらなければいけないことが多いです。
また、元清算人が亡くなってしまうと、もっと面倒になります。
破綻した金融機関の抵当権がそのままになっていらっしゃる方は、早めに抵当権抹消登記の手続をすることをお勧めします。
ご相談、お見積りは無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
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住宅ローン完済による抵当権抹消登記
ブログ執筆者
○司法書士 八木 隆
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