一定の建設機械については、抵当権を設定し、登記することができます。
このページでは、建設機械を担保とする抵当権設定登記の手続きについて司法書士が解説します。

 

根拠法
建設機械の抵当権設定登記については、『建設機械抵当法』に規定されています。

 

建設機械とは
抵当権の目的となる建設機械とは、建設業法第二条第一項に規定する建設工事の用に供される機械類であり、その範囲は建設機械法施行令により定められています。

 

1 掘削機械
@ショベル系掘削機
(ショベル、バックホウ、ドラグライン、クラムシェル、クレーン又はパイルドライバーのアタッチメントを有するもの)
A連続式バケット掘削機(走行装置及び22キロワット以上の掘削用原動機を有するもの)

 

2 基礎工事用機械
@くい打ち機及びくい抜き機
(やぐら及び原動機を有し、ハンマー、起振機又はくい抜き装置の重量が0.5トン以上のもの)
Aグラウトポンプ(原動機及びグラウトポンプ用ミキサーを有するもの)
Bペーパードレーンマシン
C大口径掘削機(スクリュー式でないもの)
Dアースオーガー
E地下連続壁施工用機械

 

3 トラクター類
@トラクター(自重が3トン以上のもの)
Aブルドーザー
Bトラクターショベル(バケット容量が0.4立方メートル以上のもの)

 

4 運搬機械
@スクレーパー(積載容量が3立方メートル以上のもの)
A機関車
B運搬車(積載重量が15トン以上のもの)

 

5 起重機類
@ジブクレーン(つり上げ能力が3トン以上のもの)
Aタワークレーン
Bデリッククレーン
Cケーブルクレーン(巻上げ装置、走行装置及び原動機を有し、つり上げ能力が2トン以上のもの)
Dウインチ(22キロワット以上の原動機を有するもの)
Eエレベーター

 

6 ボーリング機械
@ボーリングマシン(3キロワット以上の原動機を有するもの)
Aドリルジャンボ(鑿さく岩機を支持するアームが2本以上のもの)
Bクローラードリル

 

7 トンネル機械
@たて坑掘進機
Aトンネル掘進機
Bシールド掘進機
Cずり積み機

 

8 整地・締め固め機械
@モーターグレーダー(自重が5トン以上のもの)
Aスタビライザー
Bアグリゲートスプレッダー
Cロードローラー(自重が8トン以上のもの)
Dタイヤローラー
E振動ローラー
(自走式のものにあつては自重が8トン以上のもの、被牽けん引式のものにあつては自重が2トン以上のもの)

 

9 砕石・選別機械
@フィーダー(3キロワット以上の原動機を有するもの)
Aクラッシャー
(ジョークラッシャー、ジャイレクトリークラッシャー、コーンクラッシャー、ロールクラッシャー、インパクトクラッシャー、ロッドミル又はボールミルで、3キロワット以上の原動機を有するもの)
B選別機
(トロンメル、バイブレイティングスクリーン又はクラッシファイヤーで、3キロワット以上の原動機を有するもの)
Cウォッシャー
(ドラムウォッシャー又はスクリューウォッシャーで、3キロワット以上の原動機を有するもの)

 

10 コンクリート機械
@セメント空気輸送機
Aフラクソー式輸送機又はキニオンポンプ
Bコンクリートプラント(骨材貯蔵びん、計量装置及びミキサーを有するもの)
Cコンクリートミキサー(混練容量が0.35立方メートル以上のもの)
Dコンクリートポンプ(排送能力が毎時5立方メートル以上のもの)
Eコンクリートプレーサー(打設能力が毎時10立方メートル以上のもの)
Fアジテーターカー(ゴムタイヤ式でないもの)

 

11 舗装機械
@アスファルトフィニッシャー(敷きならし装置、仕上げ装置、走行装置及び原動機を有するもの)
Aアスファルトプラント
(コールドエレベーター、骨材乾燥機、ホットエレベーター、ふるい分け装置、骨材貯蔵びん、アスファルト溶解がま及びミキサーを有するもの)
Bアスファルトクッカー
Cコンクリートフィニッシャー(振動機及び原動機を有するもの)
Dコンクリートスプレッダー(原動機を有するもの)
Eコンクリートペーバー(装軌式のもの)

 

12 船舶
@しゆんせつ船
(ポンプしゆんせつ船、ディッパーしゆんせつ船又はグラブしゆんせつ船で、独航機能を有しないもの)
A砕岩船(独航機能を有しないもの)
B起重機船
Cくい打ち船
Dコンクリートミキサー船
Eサンドドレーン船
F土運船(鋼製で、独航機能を有しないもの)
G作業台船

 

13 その他
@空気圧縮機(14キロワット以上の原動機を有するもの)
Aサンドポンプ(29キロワット以上の原動機を有するもの)
B発動発電機(発電機容量が15キロボルトアンペア以上のもの)

 

所有権保存登記

建設機械に抵当権を設定するには、当該建設機械について所有権保存登記を行う必要があります。

 

所有権保存登記の申請人
建設業法の許可を受けた建設業者であり、その建設機械につき第三者に対抗することのできる所有権を有する者です。
なお、打刻又は検認を受けていない建設機械は所有権保存登記を申請することができません。

 

打刻又は検認の申請

申請先
国土交通大臣 申請人である建設業者が大臣許可を受けている場合
建設機械所在地の都道府県知事 申請人である建設業者が知事許可を受けている場合

 

打刻とは
打刻は、国土交通省令の定めるところにより、を、当該建設機械の主要な部分の見易い位置に打刻をした年、打刻の際申請人の主たる営業所が所在する都道府県、打刻をした者及び打刻の番号を表示する記号を刻むこと

 

検認とは
建設機械に打刻された記号が法で規定する記号であるかどうか及びその打刻が正当にされたものであるかどうかを確認すること

 

証明書の交付
建設機械に打刻又は検認をしたときは、申請人に建設機械打刻証明書又は建設機械打刻検認証明書が交付されます。
これらの証明書は、所有権保存登記申請の添付書類になります。

 

所有権保存登記の申請

管轄法務局
打刻を行った都道府県の法務局又は地方法務局

 

証明書の有効期限
打刻を受けた日(検認を受けた場合は検認を受けた日)の翌日から2週間を経過した所有権保存登記の申請は却下されます。

 

添付書類
・申請書副本
・建設業者証明書
・建設機械打刻証明書
・申請人の住所証明書

 

登録免許税
登録免許税は課税されない

 

抵当権設定登記

抵当権の目的になるのは、既登記(所有権保存登記)の建設機械です。

 

抵当権設定登記は、所有権保存登記後30日以内に申請しなければなりません。

 

添付書類
・登記原因証明情報
・登記済証
・設定者の印鑑証明書(作成後3ヶ月以内のもの)

 

登録免許税
債権額又は極度額の1,000分の3

 

 

お問い合わせ

司法書士へのお問い合わせは、お電話(052-848-8033)又はメールフォーム(下記のお問い合わせページ)からお願いします。

 

○司法書士 八木 隆
○名古屋市瑞穂区白砂町二丁目9番地 瑞穂ハイツ403
○TEL 052-848-8033

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