株式併合の手続(株式併合の登記)

株式併合とは
株式併合とは、株式をまとめることにより株式の単位を大きくする会社の行為です。
10株をまとめて1株に株式を併合すれば、10株を所有する株主は1株の株主になりますし、100株所有する株主であれば10株の株主になります。

 

本来の株式併合の目的は、1株当りの株式の経済的価値を高めたりすることですが、少数株主を会社から締め出すために利用されることもあります。

 

10株を1株に併合した場合、5株所有する少数株主は、併合後は、0.5株の株主になってしまいます。
株式併合により1株に満たない株式が発生したときは、この端数を金銭に換金し当該少数株主に交付します。
これにより、当該少数株主は、当該会社の株主ではなくなり、当該会社から締め出されることになります。

 

株式併合の手続に関する法改正

平成27年の会社法改正により、株式併合の手続が複雑化しました。
事前開示制度、差止請求、反対株主の買取請求等、株式併合により不利益を受ける株主を保護するための制度が創設されました

 

株式併合の手続

株主総会による決議

株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の特別決議によって、次に掲げる事項を定める必要があります。

@併合の割合

 

A効力発生日

 

B株式会社が種類株式発行会社である場合には、併合する株式の種類

 

C効力発生日における発行可能株式総数
公開会社の場合、発行可能株式総数が株式併合後の発行済株式総数の4倍を超えるときは、発行可能株式総数が発行済株式総数の4倍以下となるように発行可能株式総数を変更しなければなりません。

 

株主への通知又は公告

効力発生日の2週間前までに上記@からCまでの事項を株主及び登録株式質権者に通知しなければなりません。
また、当該通知を公告に代えるえることができます。

 

株式の併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生ずる場合の株主への通知は効力発生日の20日前に行う必要があります。

 

株主及び登録株式質権者への通知は、株主名簿に記載又は記録した株主の住所に宛に発すれば足ります。
この場合、通知は、当該通知が通常到達すべきであった時期に到達したものとみなされます。

 

株券提供公告

株券発行会社は、株式併合の効力発生日の1か月前までに株券を提出する旨の公告し、かつ株主及び登録株式質権者に対して格別にその旨の通知をしなければなりません。

 

ただし、株券発行会社であっても、全部の株式について株券を発行していないときは、上記公告及び通知は不要です。

 

株主の利益を保護するための手続

事前開示制度

次に掲げる日のいずれか早い日から効力発生日後6か月を経過する日までの間、上記@からCその他法務省令で定める事項を記載した書面等を本店に備え置く必要があります。
・株主総会の2週間前の日
・株式の併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生ずる場合は、株主への通知日または公告日のいずれか早い日

 

反対株主の買取請求

株式の併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生ずる場合には、反対株主は、当該株式会社に対し、自己の有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができます。
反対株主とは
・株式併合に係る株主総会に先立って当該株式の併合に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式の併合に反対した株主
・議決権を行使することができない株主

 

株式買取請求は、効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日までの間に、行使する必要があります。
株券発行会社の場合は、株式買取請求を行うには株券を提供する必要があります。

 

株式併合の差し止め請求

株式の併合が法令又は定款に違反する場合、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該株式の併合をやめることを請求することができます。

 

事後開示制度

株式の併合をした株式会社は、効力発生日後遅滞なく、株式の併合が効力を生じた時における発行済株式の総数その他の株式の併合に関する事項として法務省令で定める事項を記載した書面等を作成し、効力発生日から6か月間、当該書面等をその本店に備え置かなければなりません。

 

事前開示制度等の不適用

上記、事前開示制度、反対株主の買取請求、株式併合の差止請求及び事後開示制度について、単元株式制度を採用している株式会社で単元株式数を株式併合割合で乗じて得た数に1に満たない端数が生じないときは、適用されません。

 

例えば、1単元100株の単元株式制度を採用している株式会社が10株を1株に併合する場合等は、事前開示制度等の手続を経る必要がありません。

 

端数処理

株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生ずるときは、その端数の合計数(その合計数に1に満たない端数が生ずる場合にあっては、これを切り捨てる)に相当する数の株式を売却し、かつ、その端数に応じて換価代金を株主に交付しなければなりません。

 

端数株式の売却方法は、原則競売によりますが、市場価格のある株式については市場価格により競売以外の方法で売却することができます。
市場価格のない株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法で売却することができます。

 

競売以外の方法で売却する場合、当該株式会社が端数株式を買い取ることができます。
取締役会設置会社が端数株式を買い取る場合、買取りに関する決定は取締役会の決議により行います。

 

株式併合の登記

効力発生日から2週間以内に本店所在地の法務局に登記を申請しなければなりません。
登記すべき事項は、発行済株式総数及び変更変更年月日です。
株式併合により発行済株式総数が減少します。

 

添付書類は、株式併合に係る株主総会議事録、株主リスト、株券発行会社の場合、株券提供公告を行ったことを証する書面が必要になります。

 

登録免許税は申請1件につき3万円です。

 

 

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