合同会社から株式会社への組織変更

本記事の内容
合同会社が株式会社へ組織変更する手続きについて、会社法人登記の専門家である司法書士が解説しています。
合同会社は総社員全員の同意により、株式会社にその組織を変更することができます。
合同会社が株式会社に組織変更するには組織変更計画を作成し総社員の同意を得ることが必要です。
また、会社債権者を保護するための手続を行う必要があります。
組織変更の効力が生じた日以後、2週間以内に組織変更の登記(株式会社設立の登記及び合同会社解散の登記)を申請します。

 

合同会社から株式会社の組織変更手続の流れ

以下で、合同会社が株式会社に組織を変更する手続を説明します。

 

株式会社から合同会社への組織変更はこちらをご覧ください⇒株式会社から合同会社への組織変更

 

組織変更計画の作成

合同会社が株式会社に組織変更するには、組織変更計画を作成し、以下の事項を定める必要があります。

組織変更計画で定める事項
@組織変更後の株式会社の会社の目的、商号、本店の所在地、発行可能株式総数
A組織変更後の株式会社の定款で定める事項
B組織変更後の株式会社の取締役の氏名
C組織変更をする持分会社の社員が組織変更に際して取得する組織変更後株式会社の株式の数又はその数の算定方法及び割り当てに関する事項
D組織変更後の株式会社が組織変更に際して組織変更をする持分会社の社員に対してその持分に代わる金銭を交付するときはその額又は算定方法
E効力発生日

 

組織変更計画の承認

効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該合同会社の総社員の同意を得なければなりません。
定款に別段の定めがあるときはそれに従います。

 

債権者保護手続

効力発生日までに1ヶ月を下らない一定の期間を定め、以下の事項を官報に公告し、かつ知れている債権者に格別に催告しなければなりません。
具体的には、組織変更広告を官報に掲載し、会社が認識している債権者に対して、催告書を送付します。

公告・催告事項
@組織変更する旨
A債権者が異議申述期間内に異議を述べることができる旨

債権者への個別催告を省略できる場合
定款で公告方法を時事に関する日刊新聞紙に掲載する又は、電子公告とするとしている合同会社が、官報と定款で定める公告方法により、公告を行えば知れている債権者に対しての催告を省略することができます。

 

異議申述期間内に異議を述べなかった債権者は、組織変更について承認したものとみなされます。

 

債権者から異議があった場合の会社の対応
組織変更する株式会社は、異議を述べた債権者に対して、次の措置を講ずる必要があります。

@弁済
A相当の担保の提供
B債権者に弁済を受けさせることを目的とする信託会社等への相当の財産の信託

ただし、組織変更をしたとしても異議を述べた債権者に損害を及ぼすおそれがないときは、上記の装置を行う必要があります。

 

効力発生日

組織変更計画で定めた効力発生日に合同会社から株式会社への組織変更の効力が生じます。
効力発生日に組織変更する合同会社の社員は、組織変更計画の定めに従い組織変更後の株式会社の株主になります。

 

効力発生日までに債権者保護手続が完了していない場合
組織変更の効力が生じないことになりますので、効力発生日までに業務執行者の決定により効力発生日を変更する必要があり、かつ効力発生日を公告する必要があります。

 

代表取締役の選定

組織変更により株式会社に変更された後、組織変更後株式会社の代表取締役を定める必要があります。

 

代表取締役の選定方法
@ 定款で定める
定款の附則で代表取締役を選定することができます。
なお、定款に組織変更後の株式会社の代表取締役の選定方法が定められている場合は、組織変更後最初の代表取締役に限る旨を明示しておく必要があります。

 

 A 取締役会の決議
組織変更後の株式会社が取締役会設置会社である場合は、組織変更の効力発生日後に開催する取締役会で代表取締役を選定します。

 

B 定款の定めに基づく取締役による互選
組織変更後の株式会社が取締役会非設置会社で、定款で互選規定を定めた場合、(組織変更の効力発生日以降に行う取締役の互選により取締役の中から代表取締役を選定します。

 

C 株主総会の決議
組織変更後の株式会社が取締役会非設置会社で、定款に互選規定を定めていない場合は、組織変更の効力発生日以降に開催する株主総会の決議により代表取締役を選定することができます。

 

取締役会を設置しない株式会社で上記の方法により代表取締役を定めない場合は、各取締役が代表取締役になります。

合同会社の組織変更登記の申請

効力発生日から2週間以内に、組織変更前の合同会社については解散の登記を、組織変更後の株式会社については設立の登記を同時に申請します。

 

組織変更を変更した場合の課税関係

法人の組織変更により、その組織変更法人の株式(出資を含みます。以下同じ。)のみが交付される場合には、旧株の取得価額が新株に引き継がれ(所得税法施行令第115条)、特段の課税関係は生じません。

 

 これに対して、株式以外の資産の交付を受けた場合には、その株式の取得価額は、その取得時における時価とされます(所得税法施行令第109条第1項第6号)。

 

また、交付を受けた資産の合計額のうち、その交付の基因となった株式に対応する資本金等の額を超える部分の金額はみなし配当課税の対象となり(所得税法第25条第1項第7号)、更に、みなし配当以外の部分の金額は株式等の譲渡所得等に係る収入金額とみなされます(租税特別措置法第37条の10第3項第7号)。
(『国税庁ホームページ・質疑応答事例・組織変更に伴い株式以外の資産の交付を受けた場合』より)

 

原則、組織変更前の合同会社の社員に組織変更後の株式会社の株式のみを交付した場合は、税金の問題が発生しないが、株式以外に金銭等を株主に交付すると課税問題が発生することがあるので、社員に金銭を交付する場合には注意を要します。

 

組織変更した場合の課税関係につきましては、税務署又は税理士にご相談ください。

 

合同会社の組織変更の登記費用

組織変更登記
登録免許税
60,000円〜
内訳
・組織変更後株式会社の設立登記 3万円〜
申請1件につき、資本金の額の1000分の1.5(組織変更の直前における資本金の額として財務省令に定めるものを超える資本金の額に対応する部分については、1000分の7)
ただし、上記により計算した税額が3万円に満たないときは、3万円
通常、資本金の額が2,000万円を超えなければ3万円になります。

 

・組織変更後合資会社の解散登記 3万円

 

官報公告の掲載料
50,250円(14行の場合、1行3,589円)

 

合同会社の組織変更登記のご相談・ご依頼

愛知県名古屋市を中心に業務を行っていますが、愛知県以外からもご相談・ご依頼を承りますので、お気軽にお問合せください。(会社登記は全国対応いたします。)

 

御社が遠方の場合、必ずしもご来所いただかなくても、お電話、メール、郵送等でお取引が可能です。

 

司法書士は会社・法人登記の専門家です。
合同会社から株式会社への組織変更をお考えの方は、名古屋の司法書士八木事務所までお問合せください。

 

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