合資会社の社員が死亡したときの登記手続|名古屋の司法書士八木隆事務所

合資会社の社員が死亡したときの登記手続|名古屋の司法書士八木隆事務所

合資会社の社員が死亡したときの登記手続

合資会社は会社債務について全責任を負う無限責任社員と、出資金の額を限度に責任を負う有限責任社員により構成される会社です。

 

ここでは、合資会社の社員が死亡したときの手続を解説します。

合資会社の社員の死亡

社員の死亡は、法定退社事由であり、死亡した社員は合資会社を退社します。(会社法第607条3号)

 

その持分(社員の地位)は相続されないのが原則で有り、相続人は合資会社に対する持分払戻請求権を相続します。

 

なお、旧商法では、有限責任社員が死亡した場合、当然にその相続人が死亡した有限責任社員の持分を承継し、合資会社に入社するとされていました。

 

会社法施行(平成18年5月1日)前に有限責任社員が死亡した場合には、定款の定めの有無に関係なく、当然に相続人が死亡した有限責任社員の持分を承継して当該合資会社に入社します。

 

ただし、定款に社員が死亡したときにはその相続人がその社員の持分を承継する旨の定めがある場合には、相続人は死亡した社員の持分を相続し、当該合資会社に入社(加入)することになります。

 

定款の変更

社員の住所及び氏名は、定款の絶対的記載事項であり、出資を伴う入社の場合、定款変更時に入社の効力が生じますが、定款の定めにより相続により持分を承継したことによる入社の場合は、持分承継時に定款の変更があったものとみなされます。(会社法第608条第3項)

 

上記のとおり、相続による入社の場合には、総社員の同意がなくとも定款の変更があったものとみなされますが、
みなされた事項を反映した定款に書き直しておくことが望ましいでしょう。

 

有限責任社員Yが死亡し、定款の定めに従い相続人A及びBが入社した場合の定款

第5条 社員の氏名及び住所、出資の価額並びに責任は次のとおりである。
○県○市○町○丁目○番○号
無限責任社員X 金○万円
○県○市○町○丁目○番○号
有限責任社員Y  金○万円

 

第5条を以下のとおり変更

 

第5条 社員の氏名及び住所、出資の価額並びに責任は次のとおりである。
○県○市○町○丁目○番○号
無限責任社員X 金○万円
○県○市○町○丁目○番○号
有限責任社員A(亡Y相続人)  金○万円のうち持分2分の1
○県○市○町○丁目○番○号
有限責任社員B(亡Y相続人)  金○万円のうち持分2分の1

 

合資会社の社員が死亡したときの登記手続

@相続による持分承継に関する定款の定めがない場合
死亡した社員の退社登記のみを申請します。

 

A相続による持分承継に関する定款の定めがある場合
死亡した社員の退社登記と相続により入社した社員の加入登記を申請します。

 

相続人が複数人の場合

共同相続人全員の加入登記を申請します。

 

遺産分割協議により相続人の1人が社員の地位を承継することになった場合でも、登記実務では、当該相続人のみの加入登記は認められず、一旦、共同相続人全員の加入登記を申請した上で、相続人間における持分譲渡による退社登記を申請すべきであるとされています。

 

合資会社のみなし種類変更

唯一の無限責任社員が死亡したため、有限責任社員のみになった場合、当該合資会社は合同会社になる定款の変更をしたものとみなされます。

 

唯一の有限責任社員が死亡したため、無限責任社員のみになった場合、当該合資会社は合名会社となる定款の変更をしたものとみなされます。

 

これらを、合資会社のみなし種類変更といいます。
参考
合資会社のみなし種類変更

 

上記いずれの場合も、相続による持分承継に関する定款の定めが有り、相続人が入社する場合は、定款を変更したものとはみなされません。

 

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