合同会社設立の登記

合同会社の特徴
合同会社は平成18年に施行された会社法で認められた会社形態です。
社員(出資者)は、株式会社の株主と同様に、会社債権者に対して間接有限責任を負担することになります。

 

心ならずも合同会社が倒産した場合でも、社員は会社債権者に対して個人財産から弁済する義務を負いません。
(社員が会社債権者と間で保証契約を締結している場合は、保証人として弁済の責めを負うことはあります。)

 

会社法施行当初の平成19年の設立登記申請件数は、6076件であったのが、平成29年の申請件数は、2万7270件とここ10年間でおよそ4.5倍の増加であり、当初はまったく認知されていなかった合同会社が最近では、かなり社会に浸透してきたといえるのではないでしょうか。

 

合同会社はどのような場合に利用するのがよいか

これは一概には言えないのですが、個人事業主が法人成りする場合には、合同会社を選択してもよいのではないでしょうか。

 

将来的に出資者を募り、事業規模の拡大を考えおらず、出資者お一人で今後も会社経営に従事する場合でしたら、合同会社でも問題ないでしょう。
合同会社というだけで金融機関の融資等が不利になることもないでしょう。

 

設立費用が安い
また、設立費用も株式会社のそれと比べると安くなっておりますので、設立費用をなるべく抑えたい場合は、合同会社はメリットがあります。(下図参照)

 

会社の設立費用

株式会社 合同会社
定款認証手数料 5万円 0円(公証人の認証が不要)
定款印紙代 4万円(電子定款は不要) 4万円(電子定款は不要)
設立登記の登録免許税 15万円(最低額) 6万円(最低額)
合計 24万円〜 10万円〜

 

合同会社は決算公告の義務がありません
株式会社ですと、その規模の大きさに関係なく、定時株主総会終結後に遅滞なく貸借対照表を公告しなければなりませんが、合同会社はその必要がありません。

 

決算公告を官報に掲載する場合、6〜7万円程の費用がかかりますので、合同会社はこの分節約をすることができます。(決算書類の作成が免除されるわけではありません。)

 

業務執行社員には任期がありません。
株式会社は少なくとも10年に一度は任期満了による役員の変更登記をしなければなりませんが、合同会社の場合は業務執行社員(役員)の任期が法定されていないので、一定期間ごとに役員変更登記を申請する必要がなく、登記費用を節約できます。

 

合同会社にはデメリットもあります

合同会社の代表者は代表社員
株式会社の代表者は代表取締役です。登記も代表取締役○○と記録されます。

 

一方、合同会社の代表者は肩書きは代表社員といいます。

 

代表社員という言葉自体、あまり聞き慣れない言葉ですので、取引先に説明を求められることもあるかもしれませんし、名乗る側も抵抗を感じるかも知れません。

 

社員が複数の場合は特に、定款の作り込みが必要になります。
合同会社の特徴として、1社員1議決権をあげることができます。

 

株式会社の場合、1株式1議決権であり、多くの出資をした株主が大きな発言権を持つのに対し、合同会社はその出資比率に関係なく社員は平等の発言権を持つのを原則とします。

 

また、定款変更などの重要事項は、総社員の同意を要するのを原則とし、社員の1人が反対すると、決定することができません。

 

たとえば、社員が10人いる合同会社でそのうち9人が定款変更に賛成しているが、たった1人だけが反対している場合でも定款変更はできないことになります。

 

ただし、定款に別段の定めをすることにより、会社法のデフォルトルールを変えることができます。
『社員の過半数の一致により定款を変更することができる』など定款に別段の定めをすることにより、先ほどのケースでは定款変更が可能になります。

 

特に複数の社員により合同会社を設立する場合には、会社法のデフォルトルールでは会社経営に支障を来すことがあります。将来起こりうる事態を想定して定款を作成する必要が相対的に高くなります。

 

社員が1人の場合、定款に別段の定めをしておかないと、社員が死亡したり、成年後見が開始したりすると合同会社は解散することになってしまいます。

 

自身が、死亡したり、成年後見が開始した場合には会社をどうするのか(存続させるのか閉鎖するのか等)を考えた上で、予め定款を整備しておく必要があります。

 

合同会社を設立するには

合同会社を設立するには、本店所在地の法務局において、設立登記を申請します。
設立登記を申請し登記が完了すると、設立登記申請日に合同会社が成立します。

 

設立登記の申請は代理人により申請することもできます。
依頼者様から報酬を頂いて設立登記の代理人になることができるのは司法書士です。

 

当事務所では数多くの設立登記のご依頼を頂いておりますので、安心してご依頼、ご相談ください。

 

会社登記のことなら名古屋の司法書士事務所、司法書士八木隆事務所にお問い合わせください。

 

 

司法書士に役員変更の登記手続きを依頼するメリット

定款等の登記に必要な書類をすべて作成してもらえる

設立登記の申請には定款等の書類の作成が必要になります。登記に必要な書類は当事務所ですべて作成いたしますので、ご依頼者様は当事務所が作成した書類に押印して頂くだけです。

 

また、会社登記には印鑑証明書等の公的書類が必要な場合がございますが、登記手続きのために取得して頂く書類等についても丁寧にご説明させて頂きます。

 

印紙代4万円を節約することができる。

定款をご自身で作成する場合、紙定款を作成することが多いと思います。
紙定款の場合、定款原本に4万円の収入印紙を貼付する必要があります。(印紙税が課税される)
司法書士に依頼した場合、定款は電子定款を作成しますので、収入印紙の貼付が不要になります。

 

当事務所の合同会社の設立登記の報酬は55,000円ですので、実質15,000円の追加負担で合同会社の設立手続きを行うことができます。
(なお、電子定款を作成できる環境にある依頼者様にはこのメリットはございません。)

 

法務局に行く必要がない

司法書士に登記手続きを依頼すれば、ご依頼者様が法務局に行くことは、一切ございません。

 

登記申請から登記事項証明書の取得まですべて司法書士が行います。

 

司法書士に依頼しないでご自身で手続きを行う場合は、登記相談で1〜2回ほどは、法務局に足を運ぶ方が多いようです。

 

また、登記申請にミスがあると、補正手続きと言って法務局に行かなければならないことがあります。

 

登記手続きに時間を割くことができない経営者様は、是非司法書士に登記手続きをご依頼ください。

 

合同会社設立登記の費用(司法書士報酬)

当事務所に合同会社の設立登記を依頼した場合の費用です。

司法書士報酬(税別) 登録免許税
合同会社の設立登記 50,000円 60,000円

登録免許税の額
資本金の額×0.7%
上記金額が6万円に満たないときは6万円(最低額)

 

上記の報酬額は、定款作成、当期書類の作成、登記申請書作成、登記申請代理、登記事項証明書の取得代行の報酬が含まれています。

 

登録免許税の他に、実費をご負担していただくことになります。
主な実費
・登記事項証明書取得手数料(1通500円)
・郵送料金等

 

合同会社の設立登記の費用の詳細をお知りになりたい方はお見積り致しますのでお問い合わせください。
登記のご相談、登記費用のお見積りを無料でおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

お電話によるお問い合わせはこちらの電話番号へおかけください

お電話による受付は、平日の10時から22時頃まで受け付けております。
土日祝日はお休みを頂いておりますが、電話に出ることができる時は対応いたします。

 

 

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合同会社の設立手続の流れ

以下では、合同会社の設立手続の流れを解説します。

 

定款作成⇒出資の履行⇒設立登記の申請⇒合同会社成立

@定款の作成

合同会社を設立するには、社員となろうとする者1人以上が定款を作成する必要があります。
定款とは会社の組織、運営等に関して定めた会社の根本規則のことを言います。

 

社員になろうとする者は、定款に署名又は記名押印する必要があります。

 

社員
ここでいう社員とは、会社員(従業員)という意味ではなく、合同会社の構成員で出資者(オーナー)のことを言います。
社員は自然人だけでなく法人もなることができます。

 

社員は、定款で別段の定めがなければ、会社の業務を執行します。(業務執行社員)

 

業務を執行する社員は合同会社を代表する社員になるのを原則としますが、定款又は定款の定めに基づく社員の互選によって、業務を執行する社員の中から代表社員を定めることができる。

 

公証人の定款認証は不要です

株式会社の定款は公証人の認証が必要であり、認証のない定款は無効となりますが、合同会社の定款は公証人の認証を得る必要はありません。

 

公証人の認証を得る必要がないので、株式会社の設立と比べると設立者の負担が軽くなりますが、公証人のチェックを受けない分、定款の有効性が担保されず、その有効性については、定款作成者の自己責任となります。

 

無効な定款を作成しないためには、設立登記に通じて会社設立手続きに携わる司法書士に相談することをお勧めします。

 

定款作成にかかる印紙税は4万円

合同会社の設立時に作成される定款には4万円の印紙税が課税されます。
印紙税は、印紙税相当額(4万円)の収入印紙を貼り付ける方法により納付します。

 

電子定款は非課税
印紙税が課税されるのは、紙で作成された定款であり、電子定款には印紙税は課税されません

 

電子定款を作成するためには、定款データーに電子署名を行うことができるPC環境と、電子証明書を事前に取得する必要があります。

 

電子定款の作成を専門家に依頼して節税する
電子定款を作成できる環境にないが、電子定款を作成して4万円の印紙税の負担を節約したいときは、行政書士等に電子定款の作成を依頼することもできます。(報酬額1〜2万円程度で作成してくれる事務所が多いみたいです。)

 

司法書士は、定款の作成のみの受任はできず、設立登記の依頼を受任した場合に、登記の添付書類として定款を作成することができます。

 

定款記載例

定款の絶対的記載事項
絶対的記載事項(記載を欠くと定款そのものが無効となる事項)は以下のとおりです。
(1)目的
(2)商号
(3)本店の所在地
(4)社員の氏名又は名称及び住所
(5)社員全員が有限責任社員である旨
(6)社員の出資の目的及びその価額又は評価の標準

合同会社は定款自治が広く認められており、会社の実情に応じて会社法で認められた別段の定め等をしておく必要があります。

 

定款例(社員1名の合同会社の定款で必要最低限のみ記載したもの)
※赤字は絶対的記載事項

(商号)
第1条 当会社は、○○合同会社と称する。

 

(目的)
第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。
1○○の製造販売
2○○の売買
3 前各号に附帯する一切の事業

 

(本店の所在地)
第3条 当会社は、本店を名古屋市に置く。
※定款に記載する本店所在地は最小行政区画まででも差し支えありません。

 

(公告の方法)
第4条当会社の公告は,官報に掲載してする。
※@官報、A日刊新聞紙、B電子公告の3つの中から選択することができます。
公告方法を定款で定めなかった場合は、公告方法は、官報になります。

 

(社員及び出資並びに責任)
第5条 当会社の社員はすべて有限責任社員とし、その氏名及び住所並びに出資の目的及びその価額は次のとおりである。
名古屋市西区○○町○番○号

有限責任社員 ○○○○ 金100万円

 

(社員の加入)
第6条あらたに社員を加入させるには、総社員の同意を得なければならない。

 

(相続による持分の承継)
第7条 当会社の社員が死亡した場合には、当該社員の相続人が当該社員の持分を承継する。

 

(業務執行社員及び代表社員)
第8条 当会社の業務執行社員及び代表社員は○○○○とする。

 

(事業年度)
第9条 当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までの年1期とする。

 

(定款に定めのない事項)
第10条 本定款の定めのない事項については、すべて会社法その他の法令の規定するところによる。

 

以上、○○合同会社の設立のため、この定款を作成し、社員が次に記名押印する。
平成○年○月○日 

 

 有限責任社員 ○○○○ 印

A出資の履行

合同会社の社員になろうとする者は、定款の作成後、合同会社の設立の登記をする時までに、その出資に係る金銭の全額を払い込む必要があります。

 

不動産、有価証券等の金銭以外の財産を出資の目的とすること(現物出資)が可能ですが、労務や信用を出資の目的とすることはできません。

 

現物出資の場合であっても、現物出資財産の価額等について検査役の調査を受ける必要はありません。
(株式会社の現物出資の場合、原則検査役の調査が必要)

 

株式会社設立の場合、出資の履行は、出資金を、発起人名義の銀行等口座に振込む必要がありますが、合同会社設立の場合はそのような制限はないので、必ずしも銀行等の口座に振込必要はありません。

 

代表社員が出資金を預かる方法などもOK

B資本金の決定

合同会社の資本金の額は、払い込みがあった金額の範囲内で業務執行社員の過半数の一致により決定します。

 

株式会社のように、払込金額の2分の1以上を資本金に計上しなければならないという規制はないので、資本金を計上しないことも可能です。

 

資本金に計上しなかった額は、資本剰余金に計上します。

 

C本店所在場所の決定

定款で本店所在地を最小行政区画まで定めている場合は、業務執行社員の過半数の一致により、本店の具体的な所在場所を決定します。

D代表社員の選定

業務執行社員が2名以上ある場合で、業務執行社員の互選で代表社員を選定すると定款で定めた場合には、業務執行社員の互選により代表社員を選定する必要があります。

 

E職務執行者の選任

法人が業務執行社員である場合は、職務執行社員を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければなりません。

 

業務執行社員が取締役会設置会社である場合は取締役会の決議で、取締役会非設置会社である場合は、取締役の過半数の一致により職務執行者を選任するのが登記実務です。

 

F設立登記の申請

代表社員が本店所在地の法務局に設立登記を申請します。
代表社員は設立登記の申請と同時に法務局に会社の印鑑を届け出ます。
法務局に届け出た印鑑がいわゆる会社実印になります。

 

合同会社の成立日
合同会社は登記をすることにより成立します。
設立登記の申請日が合同会社の成立日になります。なお、法務局が休みの土日祝日は設立登記の申請ができず、その日を会社成立日とすることができません。

 

登録免許税
登記には登録免許税が課税されます。

 

合同会社設立登記の登録免許税は設立する合同会社の資本金の額の0.7%です。ただしその額が6万円に満たない場合は、6万円です。

 

資本金の額がおよそ850万円を超えなければ登録免許税は6万円です。

 

 

合同会社設立登記のご相談・ご依頼

愛知県名古屋市を中心に業務を行っていますが、愛知県以外にお住まいの方もご相談・ご依頼承りますので、お気軽にお問合せください。(会社登記は全国対応いたします。)

 

御社が遠方の場合、必ずしもご来所いただかなくても、お電話、メール、郵送等でお取引が可能です。

 

司法書士は会社・法人登記の専門家です。

 

登記のご相談、登記費用のお見積りを無料でおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

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